光受容タンパク質を用いた光位置検出素子

光位置検出素子(Position Sensitive Detector;PSD)はスポット光の重心位置を検出する非分割の受光素子である.一般的に半導体で製造されるPSDは,PINフォトダイオードの表面に均一な抵抗層が形成され,抵抗層の両端に出力電極が設けられた構造である.受光部に光が入射するとその位置で電荷が発生する.抵抗層に到達した電荷(電流)は,両端にある出力電極までの距離に逆比例して分割され,出力電極より取り出される.ここではウェットプロセスで成膜できるバクテリオロドプシンbRを光電変換材料として,大面積PSDを作製している.
図1はITO-PETにbRを成膜し,半導体PSDの抵抗層を再現したbR-PSDの構造である.図2は入射位置に応じて左右から得られる光電流応答が変化する様子を示す.

 
           図1                図2